ガイド:玉津 充(たまっちゃん)
「熊野古道馬越峠」
熊野古道伊勢路は伊勢から熊野まで約170km。
主に江戸時代に伊勢から熊野に向かう巡礼の道として栄えたこの道は、紀北町便ノ山で銚子川を渡り、私たちの祖先が築いた石畳を踏みしめて馬越峠を越えて行きました。
♪権兵衛が種まきゃ鴉がほぜくる、三度に一度は追わずばなるまい、ズンベラ・ズンベラ♪ 唄で知られる「種まき権兵衛」も、この地で生まれ育ちました。
鉄砲の名手であった彼は、馬越峠に現れ旅人に恐れられた大蛇を紀州候の命を受け退治し、自らも蛇毒に倒れ、村民に惜しまれながら1736年に落命し、侍であった父と共に便ノ山宝泉寺に眠っています。
大正6年まで県道だったこの道は、陸上交通の整備が遅かった当地においては、まさしく生活の道でもありました。
また、この道の周辺には、県立熊野古道センターや種まき権兵衛の里などの文化施設や、清流銚子川・天狗倉山・便石山・高丸山などの景勝地があります。
峠道だけでなく寄り道やトレッキングコースとしての活用をお勧めします。
地域を訪れるより多くの人々に、当地の文化・歴史など、ご案内できる機会があれば幸甚です。
ガイド歴 20年
地域とのかかわり
現役:熊野古道保全会紀北地区代表、海山熊野古道の会会長、熊野古道語り部友の会会員、銚子川漁業協同組合事務局長、紀北町観光協会理事、便ノ山宝泉寺代表総代
元:紀北町議会議長、便ノ山区長、種まき権兵衛保存会会長、交流空間海山会長、(初代)海山熊野古道の会会長