2010年3月13日(土)、第21回 紀伊半島みる観る探検隊「九木崎原生林と九鬼町の歴史を探る」を開催しました。参加者22名、スタッフ3名の合計25名が、元・九鬼小学校教諭で熊野古道語り部の野田敦美さんと共に九木崎原生林と九鬼町を歩きました。

尾鷲市の九木崎樹叢(通称:九木崎原生林)には亜熱帯性・温暖性植物の自然林が広がり、大台ヶ原や瀞峡と同じく吉野熊野国立公園の特別保護地区に指定されています。

原生林は人を寄せ付けないイメージですが、古くから九鬼の人々との関わりが深く、集落跡や炭窯跡、ブリ大敷網を見張る魚見小屋などが点在しています。また、鎖国をしていた江戸時代に外国船を見張っていた遠見番所跡や、灯台の役目をする常灯場跡、のろしを揚げる狼煙場跡があり尾鷲市指定文化財となっています。

午前8時40分に九鬼魚市場に集合。野田さんのお話を聞きながら九鬼氏ゆかりの九木神社、三思ヶ丘公園、猪垣などを経て集落跡の古田に到着しました。現在の古田は広場になっており、山の神が祀られています。



さぁ、ここからは道が多数分岐して迷いやすく、道も荒れ放題です。足下に気をつけながら各所を巡りました。

野田さんから九鬼水軍発祥の歴史や、江戸時代に千石船があふれるほど入港していた様子、ブリ漁で昭和10年に約17万匹、昭和11年4月4日に一網で4万6千匹の漁獲高を記録した頃の裕福な暮らしぶりの話に、参加者から驚きの声が上がっていました。

生徒数が少なくなり、もうすぐ閉校式が行われる九鬼小学校、多くの文化財が残る真厳寺、正月に「ひょうけんぎょう」行事が行われるニラクラ祭場、削られて無くなった九鬼城跡などを巡り、九鬼町の歴史に浸る一日を過ごしました。
参加者は「歴史が深く見ごたえあるツアーだった」「予想以上に道が荒れていて大変だった」「九鬼町の路地が石造で風情あった」と話していました。

この九鬼ツアーは2年前に開催した後、お問合せを多くいただき同じ内容で再開催しました。
九木崎原生林は吉野熊野国立公園の特別保護地区で魚付き保安林です。ツアーでは道をガイドと共に歩きますが、むやみに原生林内に入ったり、多くの人が立ち入るのは好ましいと言えません。また、道はかなり荒れてわかりにくい上、崖崩れや倒木の場所が多く、土地勘のない人は遭難の危険性もあります。大台ヶ原などのように今後は何らかの対策が必要かもしれません。