今、熊野地方を歩くと「ギンリョウソウ」を見かけることがある。

ギンリョウソウ(銀竜草)

ヒノキやスギ林の下、落ち葉の腐葉土でフカフカしている場所に生える。
茶色の土と緑色の草木の中、この真っ白な草を見かけるとビックリする。
暗がりの森に白い姿が浮かび上がる姿から、別名は「ユウレイタケ」。
5月〜6月に見かけることが多いが、今年は例年より暖かいからか、少し早い4月から見かけている。

白色なのは光合成をする葉緑素が無いから。
養分は土から全て採っていることになる。
ギンリョウソウの根に、有機物を分解する菌類(キノコ菌のような)が共生して、養分を取り込みやすくしているらしい。
他の植物に寄生する寄生植物と少し違う。

とある場所で、ギンリョウソウの群生地が見つかり、
周囲を柵で囲って人が入らないようにしたら、柵工事で土壌が変化したのか全く咲かなくなってしまったそうだ。それほど敏感な植物だ。

目立つので、摘み取ったり、杖や棒で突いたりする人が多い。
折れると真っ黒になって乾燥するだけで、持ち帰ってもメリットが無い。標本やドライフラワーに向かないし、葉緑素が無いので水に挿しても持たない。
熊野古道を歩いてギンリョウソウを見かけたら、殺生をせず命を大切に、
次に歩いてきた人も見られるように残しておいてほしい。